五月晴れの大空を・・・
紀勢線は栃原付近で深い谷川をわたります。
五月晴れの空にあざやかな幾何学模様をえがく橋梁を、特急用気動車キハ85系「南紀」が通過します。
一段高い座席に大型の窓、「ワイドビュー」の名を冠された列車にふさわしい車窓の眺めがあたりにひろがります。
高山線に続き平成4年の紀勢線デビュー以来28年、今も現役で名古屋―紀伊勝浦間を駈けぬけます。
ハイブリッド方式からなる後継車の試運転もすでに実施され、2022年をめどに量産化される新型車両との交代も視野に入る中、件のコロナ禍で空席ばかりが目立つディーゼル気動車は、黙々と日日の定時運行をこなします。