ミャンマーのキハ40系たちその後
2018年9月8日の朝日新聞「みちものがたり」紙上に、ミャンマーに渡ったキハ40系列車の記事が掲載されました。
線路とホームの高さに差がないので、乗り降りに苦労する人もいるが、「バリアフリーはないけれど、助け合いがある」。
かつての行先表示幕は「臨時」のまま、五両編成、窓もドアも開放、ゆっくり流れる風景、線路のわきで手を振る男の子、そして線路の上に広がる洗濯物、そこは「生活道であり、遊び場であり、物干し場なのだった」。
タンス運びや風船売りの風船の束、赤ちゃんのけたたましい鳴き声。しかし「顔をしかめる人はいない。みなお互いさまなんだ」。庶民の味方、その象徴のように時速20キロで悠然とはしる列車。
「安全は私が守る」と窓から身を乗り出す車掌や、旗を振って四車線の道路を遮る踏切番のひとたちの安全輸送への願いに支えられ、列車は今日も走る。
「混沌の中の秩序」を生み出す、人々の生活に根を張った鉄道の姿がそこにあります。キハ40系たちの列車がそこで大きな役割を果たしていることに、誇らしさと同時にうれしさを感じ、いつまでも元気に走り続けてほしいと思いました。